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朝からどしゃ降りの雨の中、車は山形方面へと向かっていました。雨はやむどころか増々ひどくなるばかり、ガスも出て来てしばらく何も見えない程に。友達は「こんな雨降りでは写真撮れないよう。」と少しガッかりしています。
しかし寒河江を過ぎる頃にはすっかり雨も上がり、前方には雪を抱いた雄大な月山が姿を現しました。月山湖から志津へと走っていると、な、なんと急に左斜面にガスのかかった新緑のブナの森が現れたのです。
美しいその光景に「ヤッター!」と思わず歓声を上げていました。
ちょうど見頃のブナは雨に洗われて、瑞々しく幹は黒々と光って力強く、残雪の上には冬芽を覆っていた芽鱗が“春もみじ”となって、当り一面に落下しています。
残雪のヒンヤリとした空気、陽射しが差し込めて輝くブナに、まるでドライアイスの煙を流したように神秘的で美しい新緑のステージで二人は撮影に没頭しました。
私は今年の5月の末に44年間働いた会社を定年退職しました。
今回、こんな素晴しい光景に出会えたのは神が与えてくれた還暦祝いの“ゴールデンタイム”と感謝しています。