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「睦月なか待ち切れず雛飾る」自詠
私達姉妹は戦争をなかにして育ちました。
何も彼も不自由だった時代、娘達を抱えての亡母の苦労は並大低ではなかったと思っています。子供心にも幽かに記憶する段飾1の大きなお雛様も、お米との交換で無くなっていました。三月三日が誕生日という凄い贈り物を貰いながら長年、花より団子の生活に追われ、憧れこそあれお雛様にはご縁のない暮らしでした。各自の子供達も成長し独立し、末の妹も古稀近く、互いに年を重ねたこの春に始めてやっと揃ってのお雛祭りをしました。この日の為にと半年かけて縫った「つるし雛」手作りの小物、御馳走で迎え、亡母の詠む百人一首のテープでかるた取りをし、尽きせぬ昔ばなしに花を咲かせたひとときは、生きてきた甲斐があったと思える程、至福の刻でした。これからこそこういう時間を大切にしたいと、しみじみ決心しています。