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幸せな思いの中にも、これから始まる新しい生活に、ちょっぴり不安も感じつつ迎えた結婚式当日。
スポットライトに照らされながらの新郎新婦入場。緊張の瞬間、私をひときわ温かく包み込んでいてくれたもの、それは1本の金糸の帯でした。そう、
それは半世紀以上も前、祖母が花嫁衣裳として身に着けた帯なのです。
セピア色の写真に残る、美しい花嫁姿の祖母に憧れ、私も花嫁になる日が来たならば、祖母の帯を借りて・・・・と秘かに想い描いていた夢が叶ったのです。その日、祖母は静かに座り、誰よりも嬉しそうな笑みを浮かべ、花嫁姿の私を遠くから見つめていました。祖母の帯の温かさが、まるで『幸せ』そのものの温かさに感じられた結婚式の幸福な記憶。
もちろん、私は身に着けた帯の重さも忘れてはいない。祖母から母へ、母から私へと受け継がれた、愛情が織り込まれた金糸の帯。わたしも幸せな日々を織り込んでいきたい。