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4年前の夏、母はガンだと告知された。腫瘍はにぎり拳大。手術、再発、転移、治療。恐怖、落胆、束の間の安息、這い上がる事の出来ない闇、その繰り返し。それでも生きる事を諦めない母。穏やかな顔からは想像もできない強さを秘めた母。
風呂敷いっぱいに集めた桜の花びらで開いた病室でのお花見。まっ赤な夕焼けを見ながら誓った希望。夫と二人、着ぐるみで登場し驚かせた時のこれ以上ない笑顔。私を「宝物」と言って涙した亡くなる二ヶ月前。いつも母は綺麗だった。母が生きた証は私。
お母さん、私の一番古い記憶の話をした事があったね。のどかな午後の日差しの中、洗濯物をたたむ貴女を赤ちゃんの私は見ています。「この人の所に生まれてきて良かった」これが私の最初の記憶、今も変わらない気持ちです。
今、私は人生で一番幸せな時を過ごしています。お母さん、来年私も母となります。