ホーム > 2008年度銀賞受賞作品一覧 > 2008年度銀賞

戦後の超就職難の時代に好きだったMデパートに就職出来た私。母の力だった。社員食堂はお米持参、度々の停電、毎日のように万引が捕まる時代だった。
母は私が結婚して間もなく急死、母も大好きだったMデパートでの人生40余年、定年退職後、時代を映したデパートの内側を書き残したいと決心。二年近く関係者の取材に明け暮れ、懐しさに時を忘れる日々だった。
東京大空襲で全焼したデパートに戦後を生きた社員達の哀観を綴った「デパート人間模様」と題した400ページを越える本が出版され、テレビ局から戦後デパートの対談依頼。多くの元社員から「かけがえのない私の青春でした」などと沢山のお手紙を戴き改めて喜びに浸る。
母が開いてくれた幸せ街道を歩んできた私。仏壇に供えられた本を見守る母の写真に「お袋ありがとう、楽しかったデパート人生は充実していたよ、お袋の分も長生きさせてもらうから」と手を合せる毎日です。