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仏壇のひき出しを開けると、様々なものの一番下に封筒に入った准看護婦免許証がある。免許証の周囲は変色し、茶色いシミが点在している。
五十余年前、十五歳の私は、山奥の村から雪の舞う駅頭で母に見送られ、四時間の一人旅。緊張と不安で乗り換えを間違え、着いた時には、入学式は終っていた。紡績工場行きを辞退し、母に懇願して入れてもらった看護学校の初日であった。
はるかに時は経ち、私は長く離れていた看護職に復帰し、十年になった。なんとも遅い再デビューである。が、日進月歩の医療の現場で、娘より若い先輩達に励まされ、おだてられ、手をとってもらえる有難さをかみしめる日々である。気高く慈悲深い人々に出会え、終生の友にも恵まれた。
再びをナースに就きし幸にかえがたきもの、他にはあらず