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当時50円だった日光への修学旅行。家が貧しかったので親には言えず、行きたい気持ちを心に秘めたそうだ。
50年前9人兄弟の長男である父と結婚し、4人の子供を育て上げ、舅の介護をし、人の世話に明け暮れる人生だった。
「あと一年位」と医者に宣告され、67年前の思いを果たしに母娘で日光へ行った。体力的に東照宮の坂を上るのは無理だったので、日光に一台しかない人力車に乗せていただいた。人生ではじめてお姫様
のような気分になった母は「こんなに楽しい思いは初めて。病気が治ってしまった気がするわ」と笑った。
私は、母にカメラを向けるたび涙があふれてシャッターがなかなか押せなかったけど、東照宮の澄んだ空気が母の笑顔を最高に引き立ててくれた瞬間の一枚だった。
そして母は、毎日この写真を見て「あと二年位生きれる気がするわ」と言っている。